これまで以上に、どのように年齢を重ねていくのかを自身でコントロールできるようになったのに、年齢によって加齢に対する捉え方が変わるのは当たり前だと思いますか? 私たちはそうは思いません。 その理由を紹介しましょう。
「今現在の年齢にもよりますが、年齢を重ねることに対しては、ワクワクする気持ちがあったり、不安に感じることもあるかもしれません。若いときには年齢を重ねることを、「独立」や「チャンス」というようなポジティブな事柄と結び付けて捉えます。数十年が過ぎると今度は加齢に対して、シワや物忘れ、体力の衰えなどの現実的な事柄と結び付けるようになり、若い頃に持っていたポジティブな印象を忘れていきます。
これまで以上に、どのように年齢を重ねていくのかを自身でコントロールできるようになったのに、年齢によって加齢に対する捉え方が変わるのは当たり前だと思いますか?
私たちはそうは思いません。
その理由を紹介しましょう。
いが未来の自分の健康を創り上げる面があります。
もちろんそれはすでにご存じかもしれませんが、でも時に上辺だけの知識だけでは十分ではないこともあります。たとえば私たちは長期間にわたる影響を考慮することなく、すぐに効果を出すための選択をしがちです。もしくは考えたのだけれども、衝動的に進めてしまったこともあるかもしれません。
何かの決断をするときに、論理脳はその行動がどんな結果を導くのかをはっきりと見通せるにも関わらず、感情脳によって未来を想像することを難しくしています。つまりほとんどの決断は、まったくの論理的思考からよりも感情からなされる場合が多いのです。
年齢を重ねた今の自分は、日々の自身の選択の積み重ねの結果だと前述しました。一時的な報酬を選択し続けていると、将来における健康リスクを高めてしまう可能性が十分にあります。
より良い選択をしていくカギは、互いに影響し合う感情脳と論理脳をうまくコントロールすることです。これには多くの方法がありますが、その中のひとつが、見識を深める、ということです。
見識をより深めることで、論理的思考能力が高まり、より賢い選択をする機会が増えるでしょう。
それでは、よりベストな選択ができるように、加齢、そして自身の日々の選択が未来の自分に与える影響について、見ていきましょう。
なぜ私たちは年を取るのか?
「エイジングコードのバイオハッキング:健康寿命の伸ばし方 」でご紹介したように、年齢を重ねる過程と理由にはさまざまな考え方があります。
これら知識の広がりが、年齢を重ねても健康でい続けるための様々な方法を生み出しています。
たとえば30歳を過ぎても生活の質を保つためのことなど。中でも期待できる方法のひとつは、身体の中のバランスを保つこと。なぜなら、体内のバランスの乱れが加齢の根本にあるという考えがあるからです。
正しいと思われる理由
身体の最も基本的な構造は細胞です。身体は何兆もの細胞からできていて、その細胞たちが連携して働くことで最適な機能を実現しています。本来細胞には環境の変化に対応する力があるものですが、体内環境が一定であるときに最もよく機能します。ですが私たちは日々、このバランスを崩すものにさらされて生きています。自身でコントロールできるものと、そうでないものがあります。
私たちの身体には、自身で身体を調整する働きがありますが、その機能は完全ではありません。だからこそ、悪影響を与えるものへの接触を極力抑えることが大切です。それが体内バランス、ひいては健康な細胞を守ることにつながります。覚えておいてほしいのは、健康な細胞が健康な身体を作り、健康な身体が若々しい活力を作り出す、ということです、年齢に関係なく。
選択は重要
体内のバランスは身体に入るものを管理することが大切です。
身体に入るものはすべて、従来の五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)に加え、バランス、温度、固有受容覚(空間認識)、痛覚、空腹感などの感覚が関わってきます。
いくつか例をご紹介します:
- 食べ物
食べ物は細胞が機能し、あなたが呼吸したり考えたり動いたりするのに必要なエネルギーを提供します。また、食べ物のにおいは空腹感を引き起こしたりします。 - 音楽
音楽を聴いているとき、その音には身体を動かしたり、感情に働きかける力があります。 - 内側から生み出されるもの
運動などの結果、体内で発生するものについて触れます。運動をすると、体内に二酸化炭素が蓄積されます。それに対し、身体は心拍を高めることによって、動いている筋肉に酸素を届けようとします。運動は、健やかさを生み出すエンドルフィンの放出も促進します。
他には、血糖値が低下したときには、食事の時間だと脳に告げる空腹ホルモン(レプチン)が増加したりします。 - 言葉のインプット
言葉は感情に多大な影響を与えることがあります。非言語コミュニケーションにも、その力が見られます。 - 日光
浴び過ぎると日焼けになりますが、肌は日光を浴びることでビタミンDを生成します。また、光を浴びる量によって、気分が左右されることも。 - 薬・サプリメント
研究施設で合成された化学物質であっても、植物成分配合の自然食品であっても、薬とサプリメントは体内で化学反応を引き起こし、ポジティブまたはネガティブな結果を残すことがあります。 - 空気
肺に悪い影響を与える排気ガスやタバコの煙は、当然ながら避けるべきです。特定のアレルギーがある人は、特定の植物の花粉を吸いこむと息が詰まる感覚になったり痒くなったりするかもしれません。
身体に取り込むものを見直すことで、よりよいパフォーマンスを生み出す
品質の安定したガソリンで車のエンジンを長年にわたって効率よく動かしていくように、私たちの身体も同じように扱う必要があります。
身体のエンジン(細胞)がこの先何年も最適に機能できるよう、身体に入るものの質すべてをよくする必要があります。取り込むものをよくするほど、行動や健康、パフォーマンスが良くなります。
以下に、毎日心に留めておくべきことをリストにしましたのでご紹介します。
- 栄養
栄養たっぷりの食事は、よりよい肉体的・精神的な力をサポートします。加工食品は往々にしてカロリーや添加物が多い一方で、栄養が少ないので、なるべく避けるようにしましょう。 - 睡眠
身体は毎晩、回復や再生のために6~8時間の睡眠が必要です。適切な睡眠は、健康的な免疫機能や認知機能をサポートし、ホルモン値を制御する上でも重要です。 - コミュニティ
口にするものだけでなく、「周囲の人」も取り入れるものの一つだとみなすことができます。最高の自分を引き出すためには、ポジティブな人々の中に身を置くようにしましょう。ネガティブさはすぐさま心の健康に影響し、それが結果的に身体の健康まで悪影響を及ぼします。 - 運動
1週間の中で30~45分、定期的に運動する日を作ることは、健康を保つ上で大切なことのひとつです。病気のリスクを低減させるだけでなく、骨の健康をサポートしたり、心肺や筋肉の働きを改善したり、体脂肪を減らしたり、気分を改善したり、認知能力を高めたりします。 - サプリメント
食事ですべての栄養を摂取するのは難しいことです。そこで登場するのがサプリメント。サプリメントは身体がベストな機能を保てるようするサポーターのようなもの。ただし、質の悪い食事の代替品ではないことにご注意を。 - 知識
常に新しい情報を取り入れ続けることで、脳を活性化し、活発に保てます。継続的な学習は人生の成功を促すだけでなく、認知機能の維持という面でも年齢を重ねていく上で重要な役割を果たします。
これまでにご紹介したように、どのようなことにおいても見識を深めるということは、よりよい決断をしていくための手助けとなるでしょう。選択の積み重ねが、どのように年齢を重ねていくのかに大きく関わるので、この考え方は加齢ということにとってカギとなるものです。
これは加齢の分野で新しい研究が現れるたびに、ますます明らかになってきています。
上記に挙げた6つの事柄について、もし自分だったらどういう選択をするか今一度考えてみてください。
そうすることで、これから先の何年にもわたって、ご自身の健康と生活の質にポジティブな影響を与えていくことができるでしょう。